夏の沖縄旅行で、帰りのフライトが欠航になりました
国土交通省によると、令和5年4月~6月の国内線欠航率は0.96%、15分以上の遅延確率は11.51%。
夏休みやお話で温雑する7月~9月の欠航率は2.28%(令和4年)とさらに高い確率で50便につき1便は欠航という計算になりますから、飛行機の欠航というのはそれほど珍しいことではありません。
この記事では、実際に搭乗予定の国内線が欠航して翌日フライトへ振り替えした経験から、振替便や宿泊先手配のポイント、航空会社による書用補償の手続きにおける注意点などをまとめました。
欠航後に航空会社に問合せてわかった留意事項なども紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
遅延・欠航による航空会社の対応は理由によって異なる
一番大きな違いは、台風や大雪などの悪天候による遅延・欠航についてはフライト以外の費用が自己負担になる一方、航空会社に起因する場合は延泊料金や交通費などが一定の条件のもとに補償される点です。
欠航・遅延の理由 | 振り替え(予約変更)・払い戻し | 延泊料金・交通費等 |
---|---|---|
悪天候など不可抗力の事由 | 可能(手数料無料) | 自己負担 |
機材故障など航空会社に起因する事由 | 可能(手数料無料) | 一部補償あり (各種条件あり) |
悪天候による欠航についての詳細はこちらの記事にまとめています。(昨年は悪天候による欠航で旅行自体をキャンセルするという経験をしました)。
また、欠航による特典航空券の取り扱いについても詳細を別記事にまとめていますので、必要に応じてご確認ください。
この記事では、航空会社に起因する事由で遅延・欠航したケースについて解説します
なお、原則ANAの場合を基に記載していますので、ご留意ください。
機材故障などで遅延・欠航した場合の対応
航空会社の対応を先ほども記載したとおり、航空券の変更や払い戻しは手数料なしで対応してもらえます。フライト変更・払い戻し以外の対応を希望する場合に発生する諸費用や、遅延により終電に間に合わなかった場合のタクシー代などは一定の条件のもとで精算してもらえます。
詳しくはANA公式サイトをご覧ください。
▶︎機材故障などが理由の振り替えに伴う諸費用のご案内
搭乗予定便が欠航したときにやるべきこと
欠航決定のタイミングは直前のことが多い
前提として、飛行機の欠航が決定するのは直前になることが多いです。台風や大雪などの場合は事前に欠航が発表されることもありますが、機材不備などの場合は航空会社側もギリギリまで調整を試みるためフライト予定時刻間際の欠航決定ということが珍しくありません。
今回、私の場合はフライト予定時刻を少し過ぎてからの欠航発表でした。遅延理由は「使用機到着遅れ」です
参考に、当日のANAからのご案内を時系列で紹介します。
- フライト予定は19時台後半
- 当日17:16に「出発時刻変更のお知らせ」がeメールとSMSに届く
- 出発時刻が1時間遅れるという内容
- その後、飛行機の変更による座席変更のお知らせが届く
- 遅延後のフライト予定時刻を過ぎた21時前に「欠航」の旨がアナウンスされる
- 21:15に「欠航のお知らせ」がeメールとSMSに届く
運航状況はWEBでも確認できますが、搭乗口周辺で流れるアナウンスが最速の情報発信となります。
この時は20時頃のアナウンスで「現在、遅延予定ですが欠航の可能性もあります」という案内がされていました。
欠航が決定したらやるべきこと
欠航が決まったら気持ちを切り替えて各種手続きを進めましょう
- まずは、振替られる便があるかを確認
- そして、荷物を預けている場合は受け取り
- 振替便が翌日になるようなら宿の手配・往路便の欠所であれば当日宿泊予定の宿のキャンセル
振替便の確保
欠航決定の旨がアナウンスされると、搭乗口にいた乗客が一斉に受付カウンターに向かって走り始めます。この欠航のアナウンスにて、振替便の有無や手続きカウンター番号などの情報提供がありますので、走りながらでも内容はよく聞いておきましょう。
私の場合はすでに21時だったこともあり、「当日の振り替えは無い」ことがアナウンスされました。この時点で当日の宿の確保が必要なことが明確になったので、振替便の確保と宿泊先探しを夫婦で手分けして対応することができました。
その後、「翌日もほぼ満席だが臨時便を2便用意する」と案内があり、振替便は午前と午後の1便ずつですが、急ぐ場合は乗り換え(経由便)を使うことを検討するようアナウンスがありました。
2024年7月以降は空港カウンター以外にWEBでも振替手続きができるようになりましたので、臨時便に乗れることがわかれば急ぐ必要はありません。一応カウンターには並びながらWEBで振替手続きを行い、早々に振替便の座席を確保することができました。WEBの方が断然早いです。
当日の宿の手配またはキャンセル
原則、空港は夜間は閉鎖されますので、足止めの場合は宿泊先を確保する必要があります。フライト先で宿を確保していた場合はキャンセルの連絡をしましょう。
空港に近く利便性の良いホテルは急がないと埋まってしまうので、欠航の可能性が出てきた時点で事前に宿泊先の候補を探しておくのがおすすめです。私の場合は、同時刻にもう1本欠航が出ていたのでかなり焦りました。
運良く、空港からタクシーで10分程度の那覇市松山にある「アパホテル那覇空港若狭」を確保できました。
補償金額よりかなり安くすみましたが、こういう時は寝るだけですし利便性を最優先する方が良いというのが私の考えです。ビジネスホテルのほうがチェックイン・アウトなどに時間がかからないし面倒がありません。
実際、2022年4月にリニューアルオープンしたばかりの新しいAPAホテルで、目の前にはローソンもありとても快適に過ごせました。
航空会社に起因する欠航の場合の補償
機材トラブルなど航空会社に起因する欠航の場合、宿泊費・交通費などの諸経費が15,000円を上限に補償されます
飛行機を諦めて陸路や海路を利用した場合の交通費や、足止めによって発生した宿泊費などが対象になりますが、補償を受けるためには自分で航空会社へ申請を出す必要があります。
欠航補償の申請方法
飛行機の欠航が決まり、その欠航が諸費用の補償対象になる場合はeメールおよびSMSで連絡が来ます。メールアドレスや携帯電話番号は正しく登録しておきましょう。
メールに記載されているURLから申請します。
搭乗者番号や予約番号でも申請できますが、同じメールに記載されている「補償番号」を使うのが最も簡単で間違いがありません」。
原則は1名ずつ補償申請せよと記載されていますが、1室で複数名が宿泊したホテル代などは領収書が1枚しかありません。そういった場合は代表者がまとめて申し込むことも可能です。
代表者がまとめて申し込むメリットは、領収書の金額が1人あたりの上限金額15,000円を超えている場合でも合算した金額内(2人なら3万円以内)であれば補償される点です。
同行者分と合算して申請する場合には、同行者の補償番号や氏名が必要です。
必要情報を入力すると、補償額の上限が合算後の金額になります。
宿泊費や交通費など欠航によってかかった費用をすべて申請します。領収書が必須ですので必ず受領しておきましょう。
補償金の受け取り方法は、銀行振込または電子マネーでの受け取りが選択できます。
最後に「お客さまの補償申請番号」が表示されますので、念のため控えておきましょう。問合せの際に必要となる場合があります。
欠航の補償申請における注意点(重要)
欠航の補償申請は初めてだったので後から後悔することもありました。参考に注意点をシェアします
延泊翌日のタクシー代も補償金額以内なら清算可能
欠航による補償対象の費用は、交通手段変更で発生した交通費や終電がなくなった場合のタクシー代、足止めによるホテル宿泊費用などです。
が。補償金額15,000円以内であれば、意外と幅広く柔軟に補償してくれる可能性があるようです。
私の場合、振替便とホテルの確保を完了して那覇空港を出たのが22時前だったので、ゆいれーるはまだ運行していましたが疲れていたのでタクシーで移動しました。
東京に戻ってからANAに問合せると「終電はあったがタクシーを使った場合も補償されるか」→「補償される」との回答。それは想定通りだったのですが、「翌日もタクシーで空港へ向かったがこれも補償されるか」と聞くと「上限15,000円以内であれば補償される」とのことでした。
ただ、この時点で翌日のタクシーのレシートを紛失しており、結局補償申請したのは当日のタクシー代とホテル代だけでした。
15,000円以内であればホテルでの朝食代なども補償される可能性がありそうです
一度申請すると再申請や追加申請はできない
申請が完了した後で、間違えに気付いたり領収証が出てきたりしても追加や修正は一切できません。
申請手続きの最後に「重要なご案内」があり、ここに「上記の補償を実施した場合、今後、本件に関するその他の請求を承ることはできません」と記載されており、ここに同意をしないと申請が完了しません。つまり、「申請完了=損害賠償請求権の放棄に同意」となり後から追加などができないことになります。
代表者がまとめて申請した場合は、同行者の申請もできなくなりますので充分に注意してください。
私の場合、延泊翌日のタクシー代レシートが後からでてきたのですが追加申請できませんでした。
私は2名分をまとめて代表者として申請しましたが、そもそも請求額は2人合算でも15,000円以下だったので、最初に自分だけ単独で申請しておけば、後から修正や追加がしたい場合に同行者があらためて申請するということが可能だったのにと後悔しました。
代表者がまとめて申請するのは、1枚の領収書が15,000円を超えている時だけにしましょう
繁忙期は申請内容の確認に時間がかかる
飛行機の欠航は、航空便が過密スケジュールの時期に起こりやすく、連日・複数便が欠航することも珍しくありません。そのため、補償申請の内容確認には相応の時間を要します。
通常は2週間程度ですが、私が「確認完了」のメールを受領したのは申請から24日後でした。
メールに記載された銀行振込申請サイトに必要事項を入力したら即時振込完了となりました。
飛行機が遅延したときの補償
遅延の場合、基本は待つ
一般的に、出発予定時刻より15分を超えて出発した便を「遅延便」と呼びます。
遅延していても基本的は「待つ」ことになりますが、大幅遅延になると到着した空港からの乗継ぎ便に間に合わなかったり公共交通機関の終電に間に合わないといった問題が発生することがあります。
その場合は、欠航と同様に必要経費の補償を申請することができます。
費用の補償以外に、遅延の場合は「飲食費1,000円の補償」が受けられます
補償の対象者にはメールおよびSMSで連絡がきます。
遅延による飲食費1,000円の補償申請方法
対象者にはメールが届きますので、お申し込みURLをクリックして必要情報を入力します。
こちらも、補償番号が同じメールに記載されているので、番号をコピペして申請するのが簡単です。
費用精算の補償番号とは別の番号になりますので間違えないように注意してください。
飲食費の補償申請における注意点(重要)
遅延補償1,000円は欠航しても別途もらえる
最終的に遅延ではなく欠航になったとしても、1,000円は15,000円上限の費用補償とは別にメールを受け取った全員がもらうことができます。
最終的に15,000円の補償対象になったから先に連絡のあった1,000円の方は無効だと勘違いする方もいるようですが、どちらも忘れずに申請しましょう。
遅延補償1,000円の申請に領収書は不要
遅延補償1,000円の申請には領収書は不要です。空港で足止めされている時に実際に飲食費が発生していなくても、申請さえすれば1,000円を受け取ることができます。
飲食費補償の名目ですが、遅延のお詫び料といった意味合いもあると思われます
遅延補償は1人ずつ個別で申請する
遅延補償はメールを受け取った本人が個別に申請します。申請画面自体は15,000円補償の画面と同じなので、代表者が合算して申請できるように見えるのですが同行者ありを選択するとエラーになってしまいます。
実際に飲食店で食事して代表者が会計していたとしても、1,000円補償は個別にしか申請できませんのでご注意ください。
遅延補償1,000円も申請手続き・銀行振込依頼が完了と同時に、即時振り込みされました。
最後に
搭乗予定の飛行機が大幅遅延や欠航となった場合の補償申請の方法と注意点をご紹介しました。
いざという時は慌ててしまいますし、申請期間は30日以内と長くはないうえに修正もできないので、対象となる費用の範囲や手続きの方法などを事前に確認して間違いない申請をしたいですね。
この記事が少しでもあなたのお役にたてたなら嬉しいです。お読みいただきありがとうございました。
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